霜の魔女は子供の手を取って、自分の住んでいた洞窟に入った。天真爛漫な子供は魔女にまるで自分の母親の様に懐き、全てを憎んでいた魔女は、子供が自分にとって限りなく大切な存在になっていた事に気付いた。だからこそだろう。村人達が武器を携えて洞窟の前に迫った時も魔女は明るく笑んでいた。子供に必要なのは、寒くて暗い洞窟ではなく、暖かく安らかな人里だろうから。だからこそ、全身を切り付けられ、呪われた存在と罵れても満足できた。村人達があの子供も殺す前までは。生まれて初めて、霜の魔女は悲鳴を上げた。彼女の全てを奪い去った存在に向けて、死の呪いを浴びせかけた。やがて炎の様に燃え上がった憎悪も沈み、冷たい息の音だけが残った頃、彼女は人間の姿を捨てた自分を見つめた。変わり果てた自分の姿はどうでもよかった。「我が子よ…さぞ疲れただろう…少しだけ眠りなさい…」霜の魔女は子供の死体を抱いたまま、子守歌を口ずさみながら洞窟の奥へと消えていった。(次の内容がどこかにありそうな気がする。クモの女王の巣をよく調べてみよう。) 隠されたストーリーオブジェクト: - 1 タルシラの子守歌#1/3 - 2 タルシラの子守歌#2/3 - 3 タルシラの子守歌#3/3 |